中村　天風　心を鍛える言葉/岬　龍一郎

幸福になる条件とは何か→どこまでもまず人間を創れ。さすれば幸福は向こうからやって来る。
人間を創るための基本条件→生きるという現実には「生存」と「生活」の二つの要素がある。生活よりも根洪の命を大事に考えめ！
心身統一法の原理→心身統一法は天風哲学の根本教義とされるもので、「生命の力」を発揮する方法のことをいう。
積極的精神のすすめ→「六つの生命力」を甦らせる最大・最高の源泉が、この積極的精神である。
積極的精神の心得→消極的だと思っている人は、まず積極的になろうと心がけろ。それには否定的観念を捨て去ることだ。
マイナン菌に汚染されるな→マイナス菌とは他人が撒き散らす消極的精神のこと。これに感染すると自分も消極的になってしまう。
取り越し苦労は大敵である→心配するのはまだよい。だが、取り越し苦労は「ムダな努力」だ。積極的精神の大敵と思え。
悪魔の言葉に気をつけよ→「困った」「弱った」「できない」「悲しい」といった消極的な言葉は悪魔の言葉だと思え！
人生は心ひとつの置きどころ→「人生は心ひとつの置きどころ」、この言葉こそ天風哲学の神髄である積極的精神を養う考え方である。
天風、大名の孫として誕生す→本名・中村三郎。柳川藩主一門の出で、いまに残る名旅館「お花」が実家である。
軍事探偵・人斬り天風の登場→軍事探偵とは陸軍の諜報部員（スパイ）のこと。天風先生は日清・日露戦争で死線を越えて活躍する。
大受難、死中をさまよう天風先生→三十歳のとき奔馬性結核が発病。あらゆる治療を試みるが「回復不能」と宣言される。暗中模索の日々。
絶望の連続だった世界行脚→「心の救い」を求めて天風先生は世界の三分の二を歩く。が、そこにはあるのは失望と絶望の日々だった。
大哲人カリアッパとの邂逅→人の運命は邂逅によって変わるというが、この人物こそ天風先生に「生きる力」を教えてくれたヨガの大聖者だった。
文明人が忘れ去ってしまったもの→快適な生活を送っている文明人のほうが「体」も「心」も弱いのはなぜか。
天風、ついに天の声を聞く→悪戦苦闘の修行をつらぬき“天の声”を聞いた天風先生は、それ以後、病気が回復しだした。“天の声”とは？
人間はなんのために生まれてきたのか→「人間は宇宙の進化と向上に順応すべく生まれてきた」というが、その意味は？
天風哲学の「心」とは何か→人間の本質的な正体は何か。それは「体」か「心」か。天風哲学ではそれを「気(霊魂)」だという。
意志力の煥発法を体得する→意志力は積極的人間になる素であり、理性力をしのぐ最高級の権能がある。この力は霊魂から生じる。
消極的精神を掃除する法→天風哲学では消極的心を悪とみなす。その消極的要素を積極的要素に改めることを「観念要素の更改」という。
元気になる言葉を使う法→消極的な言葉は「悪魔の言葉」。これは自分を不幸にするばかりか相手をも不幸にする。
現代病のストレスをなくす法→昔から“病は気から”という言葉があるが、これがストレスのことである。気の病ならば治せないわけがない。
秘術・天風式クンバハカの法→クンバハカとは「もっとも神聖なる状態」の意味で、これを会得して初めてヨガ修行の難行苦行が可能になるという秘術。
積極的精神の養成法→「内省検討」「暗示の分析」「交人態度」「苦労厳禁」などで消極的観念を積極的観念にする法。
天風流自己暗示法→自己暗示法は積極的精神を養うのにおおいに効果がある。そのとき鏡を使うのが天風流である。
まず恐怖心を克服する→健康ブーム、宗教ブームが起こるのも、それは現代人の恐怖心から出ている。恐怖心は成功実現の敵と思え！
欲は捨てるな、欲を持て！→「捨欲」などできないことで悩むな。欲望なくて、なんの人生ぞ。ただし「楽しい欲を持て！」
楽しい欲望で天職を知る→大実業家の地位と富を捨て、大道説法に立つ天風先生の心は、初めて「楽しい欲望」があることを知った。
人の喜びをわが心の喜びとせよ！→これぞ天風哲学のめざす極致である。この喜びが生き甲斐となれば人生の達人といってよい。
正しい心の持ち方とは→雑念、妄念を払いのけ、心をはっきりさせれば「集中力」が湧く。これこそ成功実現の秘訣である。
信念にまさる宝なし→信念は宿願達成の原動力。心に念願することを描き、それを燃やしつづけることが成功実現への道となる。
理想は自己を生かす宗教である→理想とは、心に描いた信念を継続的に連想する力だが、それを持つことは摩訶力を得たにも等しく尊いことだ。
感謝は悪魔祓いの特効薬→不運になるのは心の悪魔のなせる業。ならば「感謝の気持ち」で、その悪魔を追い払えばよい。
我を救うものは我なり、神を頼らず→天風哲学の基本は、「自主自立の精神」。おのれのことはおのれで解決する。神を敬うのはいいが、頼ってはいけない。
神人冥合は魔法の力→神人冥合とは神である宇宙霊と人間の心が融合し、神秘なる力をあたえられることをいう。
神秘の力を持つ霊感を磨け！→神人冥合とは無念無想の境地。それが得られれば霊感という神秘の力が湧いてくる。
霊感を鍛えるための安定打座法→神秘なる力を発揮する霊感を簡単に得られる方法、それが天風流の安定打坐法である。
天風哲学の人生観を考える→人生は重き荷物を背負って歩くことではない。できるだけ多くの喜びを味わつてこそ人生である。
『十牛訓』の教えと照合してみた→『十牛訓』とは禅修行の十段階のたとえ。天風哲学わどれほど理解できたか、この教えと照らし合わせてみるとよい。