1982.7.1会計所ﾆｭｰｽ

楕円球との出あい

　熊谷市の住人となり１７年、つきあいの友達は仕事以外では、殆どラグビー関係の人間が多い。
　あの楕円形のボールとの出あいは高校時代に始まるが、当時はほんの数日間の経験で終った。学生時代は、芝ならぬ水の上でボート部で鍛えられ、前職の会社で仲間と創設したラグビー部で、再び楕円球とのたわむれるようになり、早や２０年の歳月を数えている。
　英国生まれのこのスポーツも、各地で人気を集めており、男らしいスピード感のある競技として観る者をも楽しませてくれる。
　ラグビー部はボールを持った人間が先頭で、如何にしてそのボールを見方同士で維持し合い、敵陣にトライするかという競技であるが、試合終了時にレフリーがコールする「ノーサイド」のことばの意味にこそ、このスポーツの本当の魅力がある。終了後の敵味方のないラグビーを愛する仲間同志としての認識は、実に気持のよいものがある。
　このラグビーが趣味に変わったのは、埼玉国体後、熊谷市のラグビー場を活用して少年ラグビースクールを開催し、また六年前になるが、主に４０歳以上の仲間で、熊惑クラブなるチームを結成した。以来毎週日曜日の少なとも半日を、荒川の芝の上で子供たちや仲間たちと、あの楕円のボールでたわむれるようになってからである。
　お互いをライバル視することなく、マイペースを鉄則とする楽しむためのラグビーは、生涯スポーツとして趣味として生活の一部であり、健康づくりの大きな役割を果たしくれている。
　三年前に始めた三尻の幸安寺での座禅は、未だ悟ること少く修行不足の感が強いが、これからの生活の中で、心技体の充実を目指して未知の諸問題に十分に対処していくためにも、楕円球との出あいを、そしてその仲間たちを大事にしてゆきたいと心から願っている次第である。

吉田　嘉高　熊谷商工会議所会員・吉田会計税務事務所所長代理
1979.4.29記事へ home 1992.1.1記事へ