二十周年を迎え思い出の記 熊惑クラブ/名誉会長　鎌田大朔

　光陰矢の如しと謂われますが、たしか昭和五十年四月の朝日新聞の埼玉版に「フォーティーオーバーラガー集れ」の記事を見てはや二十年を過ぎました。昭和十九年以来中断していたラグビーが出来る喜びに早速馳せ参じた次第です。初会合の顔ぶれは、宇田川、天沼、山田、秋元、吉田、鯨井、並木の諸兄ではなかったかと思います。
　以来、群惑を始めとして東京・神奈川不惑クラブと定期戦を組み順次ゲーム数も増え夢にも思わなかったオーストラリア遠征も二回敢行し今日の熊惑の発展に繋がったものと推察します。
　誠に恐縮ですが小生個人の脳裏に浮かぶゲームの思い出の二、三を記します。
（1）台湾遠征
　昭和五十五年に当時台湾ラグビー総監督の柯子彰さんと連絡がつき二十名位同行し台北総合グランドにて対戦し当日は相悪く前夜来の雨でぬかるみのなか悪戦苦闘し残念ながら敗れましたが夜のミーティングでは思わぬ歓待にあずかり夜の台北の気分を充分満喫させて貰い増した。
（2）群惑ナイター戦
　年月がはっきりしませんが後にも先にも唯一のナイター戦だと思います開始前レフェリーから若干電光が弱く薄暗いのでエキサイトしない様にとの注意があってプレーが始まりましたが心配された通りお互いに二、三ラフプレーがあり荒れた試合となり残念ながら後味の悪いゲームでした。
（3）関東、関西、九州三地区大会
　役員方のご厚意により齢七十余歳にして全関東のメンバーの一員に加えて戴き駒沢グランドにて短時間ではありますがプレー出来た事は晩年に於る小生にとっての快挙でした。
　駄文を並べましたが稿を閉じるにあたり、今後の熊惑クラブの益々の隆盛と会員各位のご発展とご多幸をご祈念申し上げます。
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