私のささやかなラグビー歴史の一齣 ＳＨ　篠崎正夫

　私とラグビーとの出会いは、昭和３６年３月、熊谷商工高等学校に入学が内定し、クラブ活動の見学にいったときでした。
　当時、熊商のラグビー部の顧問をしておられた森喜雄先生にお会いし、ラグビー部への入部を進められたことがきっかけでした。
　そのころ埼玉県内の高校には、８校くらいしかラグビー部がなく、全国大会は埼玉、群馬、新潟の三県で一チームの出場でした。
　私のポジションは、スクラムハーフでしたが、幸い第４２回大会が２年生で補欠、４３回大会が３年生でレギュラーとして近鉄花園ラグビー場の地を踏むことができました。
　それまで、高校ラグビーの全国大会は、兵庫県の西宮球場で開催されていたそうですが、４２回大会から開催地が大阪の近鉄花園ラグビー場へ移され、花園での全国大会１回目と２回目に出場することができ、今年の全国大会第７５回大会の長い歴史の中の一齣に参加できたことを誇りに思っております。
　当時は全国大会に出場しても、家族が応援にきてくれることもなく、先輩が何人か来てくれる程度でした。今とは隔世の感があります。
　その４２回大会には、現在深谷高等学校のラグビー部の監督であり、埼玉県ラグビーフットボール協会の理事長をしておられる尾崎良巳先生が、北海道代表の北見北斗高校の主将として出場し、準優勝を果たしておられます。
　私が高校に入ってラグビーを始めてから、３３年程たちましたが、高校を卒業したとき、やっと苦しい練習から解放されると思いホツとしたのが正直な気持ちでしたが、２〜３年たちますと、ラグビーの魅力が忘れられず、熊谷クラブに入り、さらに、３５歳くらいから、熊谷不惑クラブに移り、とうとう今年から紺の短パンを履ける年令にまでかってしまいました。
　これほどまで永くラグビーをやるとは夢にも思いませんでしたが、今ではラグビーの仲間とグランドを駆け回るのが何よりの楽しみとなりました。
　他の不惑チームの諸先輩方が赤や黄色の短パンを履いて、グランドを走っているのを見ると、私もせめて黄色の短パンを履けるまでは、ラグビーをやっていたいと思います。
　最後に熊谷不惑クラブを創設された先輩方、現在も一緒にグランドを走っている仲間、神奈川、群馬、栃木等の各不惑クラブの皆様方に感謝するとともに、今後とも仲良くお付き合いのほど、よろしくお願い致します。
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