パリスの審判　　　Judgement of Paris
　ギリシア神話の最大事件のひとつであるトロイア戦争が起こったのほ、トロイアの王子パリスがスパルタのメネラ一オス王を訪問したとき、王の留守中にその妻で、世界一の美女とぅたわれたへンネーをかどわかし、王家の莫大な財宝とともにトロイアに連れ去ったことが原因であることはよく知られている。しかし、パリスがへンネーをどぅして連れ去ったかについては、ホメ-ロスを読んだだけでは分からない。
　神話の伝えるところによれば、アキレウスの父ぺ一レウスと海の女神テティスの結婚式に神々が集まったとき、争いの女神エリスが 「最も美しい女に For the fairest.」と書かれた黄金のリンゴを投げた。主神ゼウスの妻へ一うーと、知恵と工芸の女神アテ一孝一と美と愛の女神アプロディテ-が自分こそとこれを争った。仲介に出たゼウスは彼女らをイーデー山中で放牧する、人間の中で最も美男子であったパリスに審判させるよう命じた。
　へ一ラーは自分にリンゴが与えられるなら、全アジアの王にしてやろぅと言った。アテ一ネーはあらゆる戦いでの勝利を約束し、アプロディテ一は世界一の美女ヘレネ-と結婚させてやろぅと言った。パリスはへレーネーとの結婚すなわちアプロディテ-を選んだ。パリスがスパルタに客で赴いたとき、この女神も一緒であった。そして女神の導きでパリスに説き伏せられ、ヘレネ一は一人娘のへルミオネ一を残して、トロイアに出奔することとなったのである。
　三人の女神の争いはその後も尾を引き、トロイア戦争では、へ一うーとアテ一ネーはアガメムノン、メネラ一オス、アキレウス、オデュッセウスらのギリシア側に付き、アプロディテ-はパリスやへクトール、アイネイアースらのトロイア側に付くことになった。
　特にアテ-卑-は、肝知に長けたオデュッセウスが気に入りであって、「オデュッセイア」ではずっとパトロンであり続けた。
[2011.5.6]
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